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第一回浅草橋講習会(2010年2月)のご報告

新たな試みの第1回は豊長 雄二シェフでした。


 白板を使って、
 まずはボンボンの説明から入っていかれたシェフ。
 ボンボンとは、
 一口で食べられる甘いお菓子を総して言うのだそうで
 この中には、ガムや飴なども入り、
 カテゴリーとしては 「 コンフィズリー 」 になるのだそうです。
 そして、ショコラボンボンはチョコを失敗したのを
 生クリームと混ぜてみたら美味しかったと言うのが始まりで
 言わば、「 けがの功名 」 ですね☆


 最近、お菓子作りにおいて、
 良く 「 乳化 」 と言う言葉が使われます。
 この乳化は、水分と油脂を如何に上手に混ぜ合わせていくかが
 ポイントなのですが、これについての実験をして頂きました。

 乳化をさせていく上で、今までは熱く温めた生クリームを
 ショコラと合わせて、ホイッパーを使って真ん中から円を描きつつ
 その円を少しずつ大きく混ぜていき、生クリームとショコラを
 繋げていって乳化完了としていましたが
 最近では更にブレんダーを使って
 しっかり乳化をさせていきます。
 その違いは写真3枚目を見ても判る通り、
 左はホイッパーで乳化させたもので
 右はブレんダーを使って更にきちんと乳化させたもの。
 ホイッパーだけで乳化させたものは、目で見た限りでは
 完全に乳化されたように見えていましたが、
 ボードを斜めにしてドンとすると
 ショコラ自体の温度は低いのですが、下に流れていくと共に
 時間が経つと色がくすんできます。
 この状態で製品にすると、
 完全に水分と油脂が混ざっていないので
 水分が蒸発していき、みずみずしさが失われていきます。


 それに比べ、右側の方は、
 ブレんダーでしっかり乳化をさせているので
 見た目にもツヤツヤで温度も高いのですが流れて行きません。
 このブレんダーを使って乳化する事で、
 驚くほど、口当たり、溶け具合が変わってくるのですね。


 次はテンパリングです。
 テンパリングと言うと、温度に左右されがちですが、
 シェフ曰く、大切なのは温度に合わせて作業するのではなく
 温度は目的であり手段だと仰います。 
 どう言う事かと言うと…
 チョコの中の結晶がばらばらになっているのを少しずつ
 再結晶させていき、最終的に結晶がきれいに並ぶ様にするのを
 結晶の様子が目に見えないので
 温度計を見ているに過ぎないのだから
 作業中、温度に振り回されるのではなく
 ちょっとしたチョコの変化に注意を払う方が大切になるのです。

 テンパリングの成功、失敗を確認するために
 チョコモールドで実験をして下さいました。
 ハートのチョコモールドを見て下されば判りますが
 左写真の右端のハートはくっきり見えるのに対して
 左側の列は、すりガラスのように見えます。
 型から外そうトした結果、
 はっきりと見えていた右端の列が外れていません。
 これはテンパリングがちゃんと成功していなかったからです。
 と言うのも、テンパリングが成功していれば
 チョコは縮み、モールドから自然と剥がれて行くからなのです。
 なので、左側の方のハートは、すりガラスのように
 裏側がちょっと剥がれた感じになっているので
 テンパリングの成功を確認する事が出来るのですね。
 ただ、この方法は、判ってからでは遅い所もあるので
 テンパリングを終えた段階で、金属製でないプラスチック製の
 カードなどに薄くチョコをつけて
 事前チェックが必ず必要ですが。。。

 そうそう、
 テンパリングの成功段階は、シェフのお話によると
 何と、6段階もあるそうです!!
 一番良い状態とは、ピカピカと輝いていて艶があり、
 カリッとした食感があると言う事で
 型から外れても、何となく艶が悪かったり
 良〜く見るとなんだか筋線が見えたりしているのは
 最高の出来ではない!って事です。
 何と奥の深い☆


 でも、こればかりは 「 習うより慣れろ 」 の言葉があるように
 理論に振り回されるのではなく、状態を見極めての練習が
 チョコレートと仲良くなるコツだそうです!


 マーブルテンパリングと水テンパリングを実習して貰った後は
 事前に作っておいた5種類のガナッシュを使ってボンボン作り。
 モールドにテンパリングしたチョコを流し、逆さにして
 余分なチョコを落とし、状態が落ち着くまで伏せておきます。
 チョコのベストな状態は上面と側面が2mm!
 その為にも型は伏せておくのが良いのです。
 チョコがある程度固まったらモールドを戻し
 ヘラではみ出ている所を削り、
 絞り袋に入れたガナッシュを縁から3mm位下の所まで絞ります。
 そして、ガナッシュが落ち着いたらテンパリングしたチョコを
 被せて蓋をし、余分な所をやはりヘラで削り取ります。
 後は一気に型をひっくり返して、型から無事に外れたら成功!!


 次は小さなバットに流し固めていたガナッシュの上面と底面を
 ごく薄くテンパリングしたチョコを塗って、
 四角に切りトランぺです。
 チョコフォークを使ってテンパリングしたチョコの中に落とし
 チョコをまぶして、やはり余分はトントンとして
 軽く落としそ〜っとOPP シートの上などにおいて、
 筋を入れたり、転写シートを張り付けて模様をつけたりします。

 余分なチョコを落とす為に、
 フ〜ッと息を吹きかける事もあるそうですが、
 これは衛生面の事もあるので、
 なるべくテンパリングの良い状態を保ったチョコを使って
 手際良くトントンとしながら
 余分なチョコを落としていく方が良いですね。

 最後は、テンパリングするのに使ったマーブルの手入れ法。
 OPP シートを上手に使用したら、そんなに汚れないのですが
 汚れた場合には、熱くした濡れタオルを使って
 拭き取れば楽に汚れをふき取る事が出来ます☆☆

 「 チョコはどうも苦手で… 」 と言っていた私達に理論と実践で、
 とても解かり易くチョコについて教えて下さった
 豊長シェフのお陰で、
 チョコとの距離が随分縮まったと確信できた講習会でしたし
 又、色々と教えて頂ける機会を
 是非、設けさせて頂きたいと思った私でした☆

 シェフ、本当に有難うございました!!
 












 
















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普通の主婦が始めたスイーツ好きのための講習会「スィーツプリーズ」