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 Sweets Please第3回番外編講習会
               ( 2009年8月19日 ) のご報告

 
Sweets Please第3回番外編講習会は
 「 ソルレヴァンテ 」 の藤田 統三シェフでした。

  今回の講習会では、Sweets Please では勿論のこと、
  会場を貸して下さっているドーバーさんでも初めてと言う、
  お料理の講習会をして頂きました。


  今回は、夏にふさわしくテーマは 「 トマト 」
  色々な料理に使っていそうで、でも、何となく使い方が単調。
  そんなトマトをどうアレンジして使って下さるのか
  とても楽しみな講習会でした。


  まず、一番に、デセールに使うトマトの
  抽出液であるドロップの作り方の説明です。
  ここからして、もう、目がトマトに釘付けです。


  次は、イタリア式、柑橘類のジャムの作り方。
  何と、グレープフルーツがそのまま、お湯の中に!!
  お湯の中に入れたまま、皮が自然と裂けて来るまで煮て
  それを下処理をしてミキサーにかけると言う方法。
  ダイナミックな作り方だけれど、
  その分、美味しさが凝縮されています☆


  そして、キッシュの所では、
  ブリゼ生地の仕込み方。
  型に仕込んで生地を切り取っている所が
  写真で見えるでしょうか?
  外側に生地を垂らして1cmほどの下の所に切り込みです。
  そうして、空焼きされた生地は写真の様にプ〜ッと膨らみ
  それを濡れ布巾でを被せて、破らない様に型に落とし込めて
  そこで余った分を初めて、縁の所で生地をカットです!
  こうすると、生地が焼き縮みして、
  アパレイユが溢れ浸みる事がないのだそうです。

  
  外で美味しく戴く冷製パスタも家で作るとちょっと…と言う
  冷製パスタにも美味しく作るコツはありました!!
  具材の味付けなどは勿論大切な事ですが
  パスタだけ戴いても美味しく仕上げるのが最大のポイント☆
  そこには、茹で方、冷やし方、塩加減など、
  たくさんのヒントが隠されていました。
  お菓子だけでなく、お料理の中でも「乳化」は大切!
  乳化がしっかりされて、
  初めて味わい深いしっかりしたお料理になって行くのですね。


  ニョッキに絡めるトマトソースは
  「 一握りの勇気 」 があれば、簡単でとても美味しい
  トマトソースが出来る事を教えて下さいました。
  オイルの中で真っ黒になるまでにんにくをこがしたら、
  そこへ躊躇せず、バジルと裏ごししたトマトを入れる。
  お鍋から出ている水蒸気、見えるでしょうか?
  これだけの作業で本当に驚くほど美味しいトマトソースが
  あっという間に出来上がるのです、まさにこれも目から鱗☆☆
  でも、呉々も蒸気による火傷には注意です!!


  そして、肝心のニョッキでは、
  一般的にニョッキと言うと
  ジャガイモで作られているのが知られていますが、
  こちらは主に北部の方で作られている事が多く
  粉を使ったニョッキは南部に多いなど、
  場所によって違うので地方によって
  色々なニョッキを食べる事が出来るそうです。
  その一つに、ローマーではお湯の中にセモリナ粉を入れて
  炊きあげてバットに広げたのを抜き型で抜いて
  グラタンに使ったりもするニョッキがあるそうなのですが、
  その同じセモリナ粉を使ってニョッキを作って頂きました。


  今回はセモリナ粉と金の高さに匹敵するとも言われている、
  高価なサフランを使った、ニョッキ。
  これは、アウトドアでも作れると言うほど簡単にできるニョッキ。
  作って下さりながら、上手に作る上での注意事項や
  上手な保存の仕方など嬉しいコツを教えて下さいます!
  

  そうそう、
  サフランの話から、イタリアの食文化における
  歴史的背景のお話をして頂きました。
  アラブのイタリア侵略により、シチリアに
  砂糖、サフラン、お米、アーモンドが入って来るのですが
  これらの食材が入って来なければ、
  今のイタリアのお菓子の文化はなかったと言います。
  イタリアへの侵略による歴史的背景から
  食材が当時のスペインやフランスにどう影響を及ぼしたか
  興味深いお話をたくさん伺う事が出来ました。
  シチリアとイタリア北部は何故、お米料理を頂くのか、
  スペインでパエリアと言うお米料理が発達し
  更にスペイン産オレンジや
  マルコナ産のアーモンドが有名になったのはどうしてか、
  同じイタリアをフランスも占領したにも関わらず
  フランスではお米を戴く習慣がないのはどうしてなのか、
  フランス菓子と言われている 「 ブラマンジェ 」 は
  もともと、アラブであった飲み物だったのが、
  シチリアでお菓子となり、それをフランスが持ち帰っト言う事を
  皆さん、ご存じだったでしょうか?
  歴史が苦手な私ですが、この様に食文化と平行にお聞きすると
  色々な事が見えてきて大変勉強になりました。


  それともう1つ、勉強になったこと! それは…
  イタリアンに欠かせないオリーブオイルについて。
  今まで、高い物を使っていればいいのかと
  思っていた所があったのですが
  産地によって特徴があり、
  内陸で作られているオイルは、肉に合い
  海岸沿いで作られたオイルは、魚料理に合い…と
  料理によって、使い方は変わってくるもので
  オリーブオイルでカバーしたいのか、
  オリーブオイルを使う事で、素材の味を引っ張りたいのか
  アクセントにしたいのか隠し味にしたいのか
  その時々によって、オイルは使い分ける事が大切との事!
  高い物を買っても使い方を間違えば
  美味しさは半減してしまうって事で
  高ければいいというものではないのですね!
  何事も奥が深いです。。。
  
 
  そんな、興味深いお話を伺いながらも
  どんどんお料理が出来上がっていきます。
  スパイシーな自家製ソーセージ。
  ここではスパイスと素材の合わせ方など
  シェフの話にどんどん引き込まれていきます。


  そして、最後はお菓子。
  最初に抽出しておいた、透明なトマトエキスと、驚きの方法で
  作られたグレープフルーツジャムを合わせたジャム、
  フィットチーネに見立てた桃のゼリー、
  カンパリとピンクグレープフルーツから作る、
  カクテルの 「 スプモーニ 」 をイメージしたジュレ、
  そして、何と片栗粉でとろみをつけたライムのぷるぷるゼリー。
  このぷるぷるゼリーの何とも言えないとろみ加減、
  写真でも判りますよね! 
  一瞬、風邪を引いた時に
  母が作ってくれた葛湯を想い出しました。
  このいくつもの工程のゼリーとピンクグレープフルーツ、
  ミニトマト、セロリ、ディルをアクセントにして作られたデザートは
  リコピンたっぷりの見ただけでも元気を貰える、
  とても手の込んだお菓子でした。


  今回はいつもと違い、お料理とお菓子と言う2つの構成で
  講習会をして頂きましたが
  お料理をする時はお料理、
  お菓子を作る時はお菓子!と
  きっちり頭を切り替えて作ると仰るシェフ。
  そこには、ともすると、お菓子を作るのに
  生クリームやバターの使い方や選び方を
  不得意とするシェフだったり、
  あるいはお料理を作るのに
  ワインの選び方やハーブの微妙で絶妙な使い方を
  不得手するパティシエがいる中、
  お料理とお菓子の両方を手掛けていらっしゃるので、
  困る事が少ないのと
  スタッフに両方の事を教えてあげる事が出来ると ☆


  講習会全体を通して、シェフの関西人ならではの話し方と
  話の所々で出てくる場面にぴったりの「擬音語」のお陰で、
  とても、判り易い楽しい講習会でした。
  と同時に息の合った、シェフをサポートする、
  アシスタントの船橋さんの手際のよさ、動線の綺麗さを含め、
  本当に楽しそうにお料理をしていらっしゃる姿は
  講習会の雰囲気を一層和やかにして下さっていました。


  プロと同じ味を作る事は難しい事だと思いますが、
  シェフが仰った様に、素材を知り、
  耳 (音)、鼻、触感をしっかり働かせて、
  教えて頂いたコツを守って、「 一握りの勇気 」 を持てば、
  プロの味に近づく事は勿論のこと、
  自分のお料理にも自信が出てくるように思えた、
  貴重な1日でした。


  お菓子〜Sweets 〜ではなく、お料理と言う新しい試みに対して
  快く会場を貸して下さったドーバーさん、
  そして、講習会を引きうけて下さった藤田シェフに
  心から感謝したいと思います。
  
  


  
  

  


 講習会の作品は、こちらをご覧ください

 
  


  















 











 





普通の主婦が始めたスイーツ好きのための講習会「スィーツプリーズ」